芙蓉(ふよう) 

芙蓉
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芙蓉(ふよう)

「山吹の にほへる妹が はねず色の
  赤裳(あかも)の姿 夢(いめ)に見えつつ」
 〜万葉集〜

「はねず色」は桃色よりやや濃い目の紅色のことです。
「はねず」については、フヨウ、ニワウメ、ニワザクラ、モクレンなどの諸説があり
ニワウメが通説になっていますが、はっきりしたことは不明です。

昔から美しい人の例えに用いられている花で、美しくしとやかな顔立ちのことを
「芙蓉の顔」といいます。
朝に咲き、夕方には萎んでしまう一日花で、早朝に開花したときには本来の淡紅色
夕方になるにしたがって、その色は次第に濃くなり、そして萎んでいきます。

「酔芙蓉」は、朝のうちは純白、午後には淡い紅色、夕方から夜にかけては紅色になります。
酒を飲むと顔色がだんだんと赤みを帯びるのに似ていることからこの名がついた
といわれています。

芙蓉(ふよう)と木槿(むくげ)の見分け方
 芙蓉のメシベは小さな丸が5つ並んで梅鉢マークような形です。
 木槿のメシベは不ぞろいな5本がシメジのようにひょろっとのびます。


【絵になる風景 -京都-】
○大乗寺
 京都市山科区。
 「酔芙蓉の寺」といわれています。
 平成4年にこのお寺に移り住まわれた現住職が酔芙蓉百本の寄贈を受け
 それを毎年百数十鉢に挿し木して今日千三百本を越えるまでに増やされたそうです。

水仙(すいせん) 

水仙

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水仙(すいせん)

「ふりかくす雪うちはらひ仙人(やまびと)の
  名もかぐはしき花を見るかな」
 〜『千々廼屋集』 千種有功 〜

ギリシア神話にも登場する水仙は地中海沿岸の原産です。
シルクロードを経て唐に渡ると、水に住む仙人に喩えられ水仙の名が付きました。
雪の中でも春の訪れを告げることから「雪中花(せっちゅうか)」
ともいわれています。

【絵になる風景 -静岡-】
○伊豆・須崎半島爪木崎
 静岡県下田市。
 岬の最先端には、青い海と空をバックに白亜の灯台があり
 300万本ともいわれる野水仙の群生地として有名です。
 須崎半島の東南端に位置し、西側は断崖、東側に伊豆七島が望める
 景勝地です。

【日本三大水仙群生地】
○淡路島・灘黒岩水仙郷
 兵庫県南あわじ市。
 灘海岸沿いの沼島を望む絶景地です。
 島の南部に位置する標高608mの諭鶴羽山の海に続く45度の急斜面を
 約500万本の水仙が海岸に向かって花のカーテンをおろしたように広がり
 頂上の展望台から見えるレモンイエローの水仙と穏やかなブルーの海と
 のコントラストは感動的です。
  ※淡路島の水仙群生地は「立川水仙郷」も有名です。
  ・立川水仙郷
   兵庫県洲本市。
   紀淡海峡を見下ろす柏原山の斜面一帯に広がる水仙の群生地です。
   約300万株の多種多様な水仙が谷底へ伸びるように広がります。
○福井県・越前海岸
 越前海岸に咲く日本水仙を総称して「越前水仙」といわれています。
○千葉県・房総半島


玉簾(たますだれ) 

玉簾
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玉簾(たますだれ)

「ゆうされば花びら閉づる玉簾花妹がみ霊の息づくらしも」
 〜吉野秀雄〜

「玉簾」は、白く涼やかな花を「玉」に、葉が集まっているようすを「簾」にたとえたもので
「珠簾」とも書きます。

牡丹(ぼたん) 

冬牡丹
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牡丹(ぼたん)

「かたみとてみれば嘆きのふかみ草
  なに中々の匂ひなるらん」
 〜『新古今和歌集』 大宰大弐重家 〜
 
「ふかみ草(深見草・ふかみぐさ)」は、牡丹のことです。
「深見草」のほか、「名取草」(なとりぐさ)「二十日草(廿日草)」(はつかぐさ)
「富貴草」(ふうきそう)「ぼうたん」などの別名があります。

原産地の中国では、もとは薬用に栽培されていたそうですが
白楽天など詩人たちが花の美しさを賛美し、特に唐代以降、その花の豪華さから
百花の王「花王」、百花の神「花神」と呼ばれて他のどの花よりも愛好されてきたようです。

日本に渡来した時期については、確かなことは分かっていませんが
平安初期には渡来していたとされています。
美人の姿を形容することば「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
とりあわせの良いもののたとえ「獅子に牡丹」にも使われています。

「そのあたり ほのとぬくしや 寒ぼたん」
 〜 高浜虚子 〜

品種改良が盛んに行われ園芸品種が非常に多く、花色も豊富で花形も多彩です。
寒牡丹は1〜2月に開花するよう特に手間をかけて調整されている種で
放置すると春咲きに戻ってしまうそうです。


【絵になる風景 -京都-】
○長谷寺(はせでら)
 奈良県桜井市。
 西国三十三所第8番札所。
 「ぼたんの寺」で有名です。紅葉の季節もおすすめです。

秋明菊(しゅうめいぎく) 

貴船菊
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秋明菊(しゅうめいぎく)

貴船菊の色も終りしきのふ今日白より冷えし雨となりたり
〜 風翩翻(かぜへんぼ) 斎藤史(さいとうふみ)〜

「秋明菊」の名前は、秋に菊のような花を咲かせることから。
中国から伝わり京都北の貴船を中心とした一帯に根付いたため
別名「貴船菊(きぶねぎく・きせんぎく)」といわれています。


【絵になる風景 -京都-】
○宗連寺(そうれんじ)
 京都市北区。
 「秋明菊の寺」として有名です。
 10月頃、秋明菊が境内いっぱいに美しい花を咲かせます。

秋桜(コスモス) 

秋桜
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秋桜(コスモス)

秋の風物詩としてなじみ深い花ですが
原産地はメキシコで、日本に渡来したのは明治の初め頃だそうです。

風に吹かれるそのたおやかな姿は切なげですが
実は強くたくましい花で、土質を選ばず、風で倒されても倒されても
起き上がってきます。
いちばん番大切な強さを教えてくれているようです。


【絵になる風景 -奈良-】
○般若寺(はんにゃじ)
 奈良県奈良市。
 関西花の寺25ヵ所第17番。
 「コスモス寺」として有名です。
 9月中旬から10月、約10万本の秋桜が境内を埋めつくし、
 十三重石搭をやさしく彩ります。

百合(ゆり) 

百合
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百合(ゆり)

「夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の
  知らえぬ恋は 苦しきものそ」
 〜 万葉集 大伴坂上郎女(おおとものさかのへのいらつめ)〜

ヤマユリ、ササユリ、ヒメユリ、テッポウユリ、スカシユリ、クルマユリ、
キスゲ、カンゾウ、カサブランカ・・
日本は、その種類の多さと量の豊富さから百合の宝庫とされてきました。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
と美人の姿を形容することばにも使われています。


【絵になる風景 -九州-】
○フラワーヒル菊池高原
 熊本県菊池市。
 菊池渓谷に隣接する標高650mの菊池高原に50万平方メートルにわたってひろがる
 木と花の楽園で、四季の花を楽しむことができます。
 特に、ユリ園は我国でも最大級で
 6月には色鮮やかなアジアンティックハイブリッドが
 7月にはその高貴な姿が印象深いオリエンタルハイブリッドが
 500万輪のボリュームで敷地を埋めつくします。

桔梗(ききょう) 

桔梗
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桔梗(ききょう)

「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七くさの花
  萩の花 尾花(オバナ)葛花(くずばな) 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花」
 〜『万葉集』 山上憶良〜

この歌が「秋の七草」の始まりで、朝顔は桔梗のこととされています。
 ※「秋の七草」
   ハギ・オバナ(ススキ)・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・キキョウ
 ※「春の七草」
   セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ
春の七草が七草粥として食を楽しまれてきたのとは対照的に
秋の七草は花を見て目で楽しまれてきましたが、薬草として用いられてきたものもあり
桔梗も漢方では根を干してせきやのどの薬にします。


【絵になる風景 -京都-】
○東福寺天得院(てんとくいん)
 京都市東山区。
 方丈庭園の緑の杉苔を背景に、約300株の桔梗が優雅に咲き
 その凛とした美しさに心が洗われます。
 普段は未公開ですが桔梗の季節に公開され、
 初夏と秋に咲く珍しい萩や彼岸花も楽しむことができます。
○ききょうの里
 京都府亀岡市。
 明智光秀(家紋は桔梗)ゆかりの地。
 紫・白・ピンク・八重の合わせて4万株のキキョウが
 約7千平方メートルの園内に咲き誇っています。

蘭(らん) 

胡蝶蘭
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蘭(らん)

「四君子」のひとつです。

特別品位の高い植物として「蘭」「竹」「梅」「菊」の4種
またそれらを全て使った図柄や模様を「四君子(しくんし)」といいます。
東洋画の画題としてよく用いられ
春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅と四季を通じての題材となります。

塗り絵は、胡蝶蘭(こちょうらん)です。